「気づいたら何時間もスマホをだらだら見てる…」「ついついスマホに手が伸びる」「毎日のスクリーンタイムが10時間を超えている…」
そのような悩みを抱えている方は多いと思われます。
私も、食事中にスマホに手が伸びたり、家に帰るとだらだらとスマホを見てしまうスマホ依存症です笑
前回の記事(「スマホ依存の影響と原因を解説」)では、スマホ依存がもたらす影響とその原因を解説しました。
今回の記事では、「スマホ依存の対策」をご紹介します。
今回の記事は、
- スマホ依存の対策法がしりたい
- スマホの使い過ぎで悩んでいる
方にオススメです。
今回の記事でも、アダム・オルターさんの「僕らはそれに抵抗できない」を参考にしています。
この本の著者であるアダム・オルターさんは、ニューヨーク大学スターン・スクール・オブ・ビジネス(長すぎない?)の教授で、彼の社会心理学に関する書籍は世界中でベストセラーになっています。
この本では、スマホやゲーム、恋愛などといった、ある特定の行為への依存が主題になっていまして、なぜ人は何かに依存してしまうのか、現代社会に蔓延する行動嗜癖とはなにか、どうすれば依存症から抜け出せるのかが書かれています。
依存症の克服→頑張っても無駄だよ笑
- 依存症の克服に意志力は役立たない…シカゴ大学で行われた研究によって、一定期間ソーシャルメディアサイトの使用を禁止された人は、以前より頻繁に使いたがることが分かりました。この結果から分かるように、私達は誘惑に勝とうと無理やり意志の力を行使しても、かえって結果は悪くなるばかりなのだそうです。
- 環境が人の行動を左右する…「自己決定理論」と呼ばれる有名な学説によると、「自律性(自分の人生を自分の意志で決めたい)」「関係性(家族や友人と確かな絆を形成したい)」「有能性(周囲に影響力を持っていると感じたい)」という欲求をもっているそうです。行動嗜癖に陥っている人は、この3つのニーズのいずれかが満たされない環境下にいる場合が多いらしいですね。そのため行動の改善には身の回りの環境をデザインし直すことが重要になるとのこと。
具体的改善策
ここからは上記の三つの知識を踏まえた、オルターさんの勧める依存症改善のための具体的な方法をまとめていきます。
まぎらわす
- 上記のとおり、人間の意志力は役に立たない。そのため依存症的行動の改善に取り入れられているのが、何か別の行動と入れ替え、欲求をまぎらわすこと。
ジャーナリストのチャールズ・デュヒッグは著書「習慣の力」で、こうした習慣の改善プロセスを黄金律と表現しています。具体的には、習慣は3つの部品、「合図(行動を促すもの)」「儀式(行動そのもの)」「報酬(同じ行動をこれからも繰り返すよう、脳に仕向けている見返り)」で構成されているという考え方。
この考え方を利用すると、依存症克服のためには、「合図(欲求不満や、~したいという感情)」と「報酬(その行動をした時に得られる快感や没入感)」はそのままにして、「儀式」のみを変えればいいということになります。
例)キアヌ・リーヴスが主演を務める、映画「コンスタンティン」の主人公、コンスタンティンです。
彼は映画の初めから終盤まで、終始タバコを吸ってばかりなヘビースモーカーなのですが、物語のラストでなんだかんだ禁煙し、タバコを吸う代わりにガムを口にするようになりました。タバコを吸いたい欲求を、ガムをかむことで紛らわせているんですね。
詳しく言うと、ニコチンを欲する衝動(合図)と、摂取して得られる安心感(報酬)はそのままに、タバコをガムに代替する(儀式のすり替え)ことで、依存症を克服したわけですね。
行動アーキテクチャ
- 1940年代後半に、心理学者レオン・フェスティン、スタンレー・シャクター、社会学者のカート・バックが友人関係の形成をテーマに、マサチューセッツ工科大学のウェストゲート・ウェスト寮で実験を行いました。そこから導き出された考え方が、行動アーキテクチャというもので、これは物理的な位置関係が友情形成を左右するというもの。
この考え方を、依存症克服のために応用すると、問題となっている行動を起こすきっかけとの間に、心理的または物理的な距離を置くことが重要になります。
これを画期的に活用しているのがオランダのデザインスタジオ「ヘンデルグローエン」で、この事務所では、夕方6時になると、デスクが自動的に天井をと消えていくのだそう。
- このように問題の行動を誘発するもの(パソコンやスマホ、沼ってしまう人、漫画など)を自分の中で見つけ出し、それらとの距離を置いてみると良い。
例)スマホなら使うたびに電源を切る、あえて別の部屋に置いておく。人間関係においては、沼る相手とは連絡を取らない、インスタやラインなどでも交流を絶つなど手段は様々です。
ゲーミフィケーション
- ゲーミフィケーションとは言葉通り習慣化し難い物事をゲーム化することで、それらをを習慣化する試みです。ゲーミフィケーション専門家の、ペンシルベニア大学ウォートン・スクール教授のゲビン・ワーバックとニューヨーク・ロースクール教授のダン・ハンターは、その成功のための3つの要素を明らかにしています。
- ポイント制であること。
- 上位に入ったプレイヤーを発表するランキング表がある。
- 階級を分けられていること。(バッヂなどで分ける)
これらの3つを満たすことで、ゲーミフィケーションは成功確率が上がるのだそう。
例)私の経験則としてもゲーミフィケーションは有効で、最も役に立ったのは、高校生の頃の、英単語暗記の場面です。
暗記自体は本当につまんないし、覚えられない自分にイライラして投げ出したくなるものです。しかし、私が通っていた塾では高速基礎マスターというものがありまして、それをつかって暗記量をみんなで競いあうことで、モチベーションを維持していました。
いい順位を取りたい、みんなにすごいと思われたい邪な欲求をゲーミフィケーションで加速させることで、おそろしくつまらない暗記作業を3年間習慣にすることができたのだと思います。
まとめ
「僕らはそれに抵抗できない」解決編でした。今回学んだ重要なことは、
依存症改善のためには、
- よくない行動を別のものでまぎらわそう
- 悪癖を誘発する存在とは心理的にも、物理的にも距離を置こう
- ゲーム化していい習慣を身に着けよう
ということでした。さらに詳しく本の内容が知りたい方は、ぜひ、手に取って読んでみてください。