「いいアイデアが思いつかない」「勉強した内容が覚えられない」

私は学校の課題を進めている時や、勉強している時にこのような事態に陥ります。皆さんも、このような経験はお有りでしょうか?
何か革新的なアイデアを思いつこうと考えれば考えるほどに頭が混乱して、ろくでもない案しか浮かんできません。英単語とかでも、覚えようとするほど忘れてしまいます。1日経ったら忘れている自分にイライラします。
挙句の果てには、「自分は無能なんじゃないか…」「なんで周りの人は出来るのに自分はできないんだろう」とか思ったりして、自尊心まで削られます。(私の場合。少し悲観の度が過ぎるかもしれません)
では、このような状況下では、私たちはどのような行動をするのが最適なのでしょうか。
その答えは「考えるのをやめる」ことです。
いったいどのような形で「何もしない時間」は私たちを助けてくれるのでしょうか。
この記事は、ハーバード大学の精神科医であるスリニ・ピレイさんの著書である、「ハーバード×脳科学で分かった究極の思考法」を参考にしています。
ちなみに、スリニ・ピレイさんは、ハーバード・メディカル・スクールの精神医学臨床准教授で、エグゼクティブ向け教育機関で世界一とされているDuke Corporate Educationでも教鞭をとっているすごい先生です。
何もしない時間が脳機能を高める
ぼーっとする時間の効果

この著書の中でピレイさんは、「意図的にぼーっとする時間をとることで、脳機能が向上する」と繰り返し述べています。邦題は究極の思考法とありますが、その究極の思考法というのは、考えないことなんですね。なんだかややこしい…
この「ぼーっとする時間」がどのような効果を持つのかを簡単にまとめると、
- 「集中する時間」と「ぼーっとする時間」を繰り返すことで、脳が回復し、創造性が高まり、決断力も上がる
- ぼーっとした時間の脳は、何もしていないわけでなく、脳内の記憶を検索して、複数のアイデアを結び付け、意思決定する能力を高める
- 学習を行った後にぼーっとする時間をとると、学んだことが長期記憶として定着しやすくなる
このような感じになります。
まとめると、ぼーっとする時間、脳は何もしていないわけではなく、私たちの記憶を整理したり、休息をとって脳機能を回復してくれている。ということですね。
ぼーっとする時間を最大限活用する方法
ピレイさんは、このような「ぼーっとする時間」を最大限活用するための方法をまとめています。ここではそれをご紹介します。
- PCDを活用…PCDとは、「ポジティブで建設的な空想(positive constructive daydreaming)」の略で、要は「何もしない時間には意識して楽しい空想にふけりましょうねー」ということ。

PCDを実践するには、頭を使わない気楽な読書、手だけを動かせば済むガーデニング、ゆっくり目の散歩などの集中力の負荷が低い作業を行い、その最中はできるだけ楽しい空想を浮かべます。空想は、リゾート地で遊んでいるところでもいいし、ペットと遊ぶことでもいいし、昔に起きた楽しかった経験を思い返すのも良し。とにかく、なんであっても、楽しい者ならOK。
心理学者ジェローム・シンガーさんの研究によると、この作業によって、脳が記憶の倉庫からいろいろな情報を引き出そうと頑張り始めるそうです。また、それによって自分でも忘れていたような記憶が呼び覚まされ、斬新なアイデアが浮かんだりするとのこと。このPCDは創造性、記憶の整理どちらにも良い影響をもたらすので、最強です。
- 昼寝…人間は、脳が集中モードに入ってしまうと、どんどん視野が狭くなっていきます。ゲームに熱中していて気づいたらめっちゃ時間が経ってた、とかがその例です。その結果、思考のクリアさ、クリエイティビティが低下するとのこと。
ですが、ここで10分ほど昼寝を行うと、脳がクリアになり、注意力が上がるといわれています。
ただ、10分ほど昼寝で回復するのは注意力のみ。クリエイティビティを回復させるにはもっと長い睡眠が必要なのですが、(大体90分ほどといわれる)もちろん昼間にそんな時間はないし、夜の睡眠にも悪影響なのであまりよろしくないですよね。
これらをまとめると、「いいアイデアだして~」という時は、ひとまず20分から30分ほど昼寝をとってみるといいかも。
- 違う人のふりをしてみる…まったく別の人間になりきってみるのも、凝り固まった脳をほぐす働きがあります。教育心理学者のデニス・デュマスさんらが行った研究によると、自分のことをヘンなふるまいをするアーティストのふりをしてもらったところ、クリエイティビティが向上したそうです。
ヘンなふるまいをするアーティストのふりをする必要はないですが、いいアイデアが出ないときでも、うまく覚えられないときでも、「自分が別の人間だったら(憧れている人を想像すると良さそう)どうする?」と自問することで、悪循環から抜け出し、建設的にどう対処すればいいか考えられるようになります。
「ぼーっとする時間」を試してみたら
私は、この2か月ほど、意図的に「ぼーっとする時間」を取り入れています。大学の課題で行き詰ったときとか、英単語の勉強をした後とか、ブログ何かこうかなーとか考えているときなどで活用しています。
ここからは私が、「ぼーっとする時間」を取り入れたことで起こった変化をまとめていきます。
意外と作業がはかどる

やっぱり、そうはいっても非生産的にみえる何もしない時間ですが、案外そうでもないみたい。
やってみたら分かるのですが、脳がクリアになる感覚が分かります。大体10分くらいたったあたりからですかね。特に、恐ろしく集中して考えこんでいるときとか、何個も単語を覚えようとした後とかにちょっと息抜き程度にぼーっとしてやると、その前と後とでは集中力が歴然の差ですね。
休んでいる時間を考慮しても、勉強にしても、課題やブログにしても、結果として休憩を取った方が作業は進んでいるといえるのではないでしょうか。
ぼーっとしているときにこそアイデアはやってくる
このブログを始めるときに、私はここで何を書くのか結構悩みました。あれこれ考えて、何か自分にできることはないか探そうとして。
この記事の冒頭に書いたとおり、結局こうやって無理やり思いつこうとしている時ってなにもいい案が浮かばないんですよね。
ですが、これはダメだと思い切ってブログのことを考えずに何時間か過ごしていると、「あ、本の書評とかやったらどうだろう」と、ふと思い立ったわけです。
芸術家や音楽家はシャワー中に革新的なアイデアをひらめくとよく言いますが、「ぼーっとする時間は私たちに思わぬタイミングでアイデアをもたらす効果がある」ということが実感できました。
ストレスが減る
これは今回の内容に直接は関係ないですが、ストレスが減りました。
理由は、思考停止することで、「なんでできないんだ」ともがく時間が減り、脳にかかる負荷が軽減されたたからですかね。
ぼーっとする時間って自分にとって楽しい事を考えていられるのでリラックスできます。ストレスをため込みやすい方は特に、息抜きとしてすごくおすすめです。
暗記がはかどったかどうかはよく分からん
すみません。正直これはよく分かりませんでした。
もともと記憶力が良くないのが悪いのかもしれませんが(どうでもいいことだけ異常に覚えているタイプ)英単語の作業自体は集中力が上がってはかどるのですが、それを覚えているかというと話は別。
まあ、単語テストをして明確な値にしたわけではないので何とも言えませんが、英単語は忘れて当然の者なので(開き直ることが大事です)まあいいとしておこう…
まとめ
今回は「ぼーっとする時間」の効果と取り入れてどうだったかをまとめました。
今回の重要ポイントは
- ぼーっとする時間を取り入れると創造性、判断力などが高まる
- 何もしない時間の間に脳は記憶の整理を行う。それによって新しいアイデアが浮かんだり、記憶が定着しやすくなる
- PCD(ポジティブで建設的な空想)を何もしない時間にとりいれることで、最大の効果が得られる
- ぼーっとする時間は経験上、ストレスも減らす効果があると思われる
以上の4点です。
私たちは常に考え事をしています。過去の事、未来の事、やっておかねばならない事。ですが、そんな多忙な現代人にこそ、非生産的に思われる「ぼーっとする時間」は効果的なように思えます。
皆さんも仕事や課題、勉強などで疲れた時、行き詰まった時なんかは思い切ってぼーっとしてみるのもいいのではないでしょうか。