課題やレポート、試験勉強に追われて、集中して勉強に取り組まないといけないのに、ダラダラと過ごして時間を浪費してしまう。そのような経験がある人は多いのではないでしょうか。
かく言う私も、レポートの提出期限が迫っていながら集中力が続かず、悲惨な目にあってきました。
途中でスマホに手を伸ばしてしまったり、なぜか昔読んでいた漫画を読み返したりして、提出期限ぎりぎりになるまで火がつかないんですよ。こういう時の、「やっちまった…」感って本当に精神をえぐられますよね。
しかし、私はいくつかの方法を活用することで、以前と比べてやるべき事に集中できるようになりました。今では提出期限ぎりぎりになって、急いで課題を終わらせることもありません。
今回は、科学的なデータに裏打ちされた、簡単にできる集中力を高める”方法”と集中力が高まる”場所”をご紹介します。
- 勉強をしないといけないのに続かない
- やるべきことがあるのに時間を浪費してしまう
- 集中力を高めて、効率よく勉強したい
方に参考になるかと思います。
この記事の元論文:オレゴン大学の実験 https://link.springer.com/article/10.3758/s13414-023-02803-4 イリノイ大学の実験 https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fpsyg.2017.02253/full
この記事の参考文献:ダブリン大学の実験 https://yuchrszk.blogspot.com/2018/05/blog-post_25.html
集中力を高める方法
「具体的な目標」をつくる
達成可能な、具体的な目標をつくることが、集中力の持続につながることが分かっています。
これは、アメリカ、オレゴン大学で行われた研究によって得られた結果で、この研究というのが「参加者100人に対し、簡単な4択問題を25分間つぎつぎと出題し、問題を解くのにかかる時間を測定して集中力を計る」というものです。
この結果によると、「実現可能かつ具体的な目標を定めた場合」と「漠然とした目標を定めた場合」、「目標を設定していない場合」で比較してみると、「○秒以内に答える」といった、具体的な目標を設定していた場合の方が、他の2つの場合と比べて、集中力が長く続いていることが分かったそうです。
この結果から、私たちが勉強などの集中力を要する作業をしなければいけない時(レポートや試験勉強の期限が迫っている時)には、
- 「○時○分まで勉強する」
- 「この範囲を○時○分までに終わらせる」
- 「今日は学校から帰って、○時までにご飯とお風呂を終わらせて、○時間勉強する」
といった感じで、事前に今日やるべき具体的な目標を決めておくと、集中力を持続させながら勉強に取り組めると思います。
難易度を徐々に上げてみる
具体的な目標の難度を少しずつ上げていくと、さらに長時間、集中力が保てることが分かっています。
こちらもまた、オレゴン大学の研究結果のよるものです。
先ほどの「具体的な目標設定」だけでは、時間の経過とともに多少の集中力の低下がみられたのですが、被験者に、時間が経つにつれ難しい目標を与えてみることで、長時間集中力が保てることが分かりました。
この実験では、「次の問題は0.45秒以内に回答してください」と指示し、達成出来たら「次の問題は0.4秒以内」さらに達成出来たら「次の問題は0.35秒以内」と回答時間を徐々に減らしていったようです。
この結果から、私たちが勉強などの集中力を要する作業をしなければいけない時(レポートや試験勉強の期限が迫っている時)には、
- 簡単な課題から初めて、(どれも難しいようなら、机の上の簡単な片付けなんかでも効果があると思います)少しずつ面倒くさい課題に取り組む
- 問題を解いて演習をするときには、この研究のように、徐々に時間設定を短くしてみる
といった感じで、簡単な課題から取り組んで徐々に面倒くさいものにしていったり、時間制限を厳しくしていくことで、集中力をより保てることでしょう。
先ほどの結果と合わせて、事前に具体的な学習計画を立てつつ、少しずつ勉強の難易度をあげていくようにすると、最強です。私も、本腰入れてやらないといけないレポートがあるときなどにこの方法を活用しています。
呼吸法で集中力を鍛える
「呼吸法ってストレスにいい」というのは結構有名です。(大学生にはあまり馴染みがないですが、日本でも瞑想、マインドフルネスが流行ったりしてる)
ですが、呼吸法は、集中力を高めるのに効くことも分かっています。
これは、ダブリン大学の実験で、14人の男女に20分の難しめのパズルを解いてもらい、その際に呼吸のペースや脳の活動なんかを計ったりして集中力を調べた研究の結果によるもの。
集中力が呼吸の影響を大きく受けていることが分かったそうで、「それなら呼吸のトレーニングで集中力を最適化できんじゃね?」というのが研究チームの見解。
特に、集中力を高めるのに効く可能性があるのはこの2つ。
- 呼吸瞑想…呼吸をコントロールしようとはせずに、じっと呼吸の出入りだけに意識を向けるタイプのトレーニング。仏教では一番定番の瞑想法らしい。「呼吸に意識を向ける」といってもなんのことかわからないぞ!という方はこちらの、「パニック障害を瞑想で克服したダン・ハリスさんに学ぶ、簡単な瞑想法」を参照してください。
- プラナヤマ…ヨガをやるひとがやるように、意識して呼吸のペースを一定に保つトレーニング。詳しくは、こちらの「プラナヤマ:呼吸の初心者向けガイド」を参照にしてください。
ちなみに、この2つのどちらがいいということはないので、自分がやりやすい方を選んでもらって大丈夫です。
私は、毎晩寝る前に10分ほど「呼吸瞑想」に取り組んでいます。
個人的には、とりあえず「いい姿勢を保つ」「呼吸に意識を向ける」「別の事を考えたら、また呼吸に意識を向けなおす」この3つができていればなんでもいいんじゃないかなー、とか思っています。私もまだ瞑想ビギナーなんで偉そうなことは言えないんですけどね笑
瞑想にもいろんなやり方があるみたいなんで、興味があれば、自分に合いそうなやり方で気軽に取り組んでみてください。
※瞑想は、近年科学的な検証がすすんでいるトレーニングですので、「スピリチュアルはやだ」とか「怪しい」と身構える必要はないですよ!
集中力を高める「場所」
自然に身を置いて、集中力を高める
自然に身を置くと、人間の集中力は約2倍にまで高まることが分かっています。
これはイリノイ大学の実験で、9-10歳の子ども300人が対象で、実験期間は10週間にわたっています。
内容は、300人の子どもを「1.自然が多い公園で週に一回だけ授業する」「2.いつもの教室と同じような教室で週に一回だけ授業する」2つのグループにわけ、環境の違いで集中力にどんな差が出るのかを調べたものです。
この結果、自然の中で授業をした子どもは、普通のクラスに比べて2倍も集中力が持続したことが分かりました。その他にも子どもたちは自然にリラックスできていたようで、いいことだらけのよう。
ちなみに、校舎の窓から緑が見えるだけでも、このような結果が得られた研究が過去にもあったそうです。
このことをふまえると、窓から自然が見える場所のほうが集中力が高まるみたいですね。家の窓から自然が見えない方は、勉強する場所を変えてみるといいかも。
まとめ
集中力が高まる方法と場所をまとめました。
今回の重要ポイントは
- 事前に具体的な目標を立てておくと、集中力が持続しやすい
- 簡単なことから初めて、難易度を徐々に上げていくと、さらに効果的!
- 呼吸法で集中力を高めることができる
- 窓から自然が見える場所では、集中力が上がる
以上の4点です。
やらなきゃいけないのに集中できない時は、本当に嫌な気持ちになります。しかし、だからといって「集中しないとダメ」「なんでできないんだ」と自分を追い込むことはストレスが溜まって逆効果になるので、気を付けたいところ。
今回ご紹介した方法が集中力を高めるご参考になれば幸いです。